丁度切手バブルの頃でした。
切手カタログや切手店で、額面の何倍から何十倍の値段が付けられていた時代です。
「ボクの切手も、ボクが大人になる頃にはああなるんだ!」
小さな胸に期待をふくらませ、少ないお小遣いを手にして、記念切手の発売日には郵便局に並びました。
シート買いする大人を横目に、いつも数枚しか買えませんでしたが、
「いつかはこれが何倍にも化けるんだ!」
家に帰り、切手帳が埋まっていくのを眺めては、悦に入っていました。
―
それからウン十年。
切手ブームはどうやら終わったようだ―
途中で薄々わかってきましたが、当時はサラリーマンの仕事にかまけて、処分の時期を逃しました。
切手の持ち主には波乱万丈の出来事がありましたが、切手帳の切手は何も知らず、あの頃の姿のままです。
名残惜しいが、もう切手バブルは来ないとわかったので、思い切って処分しよう―こう決心して、
■ヤフオクで売ってみた
少しでも儲かればいいからと、ヤフオクでチョコチョコ売ってみました。
でも100円、200円の売上で、一通一通、発送の手間をかけるのは割に合わないです。
それと、ヤフオクは8%なにがしの手数料を取られます。
手数料を計算したら利益は殆ど出ないどころか、赤字になることもあるとわかり、それ以来ヤフオクで売るのはやめました。
■イーベイで売れないか
ヤフオクがだめならebayはどうだ。
早速市場調査をしました。
日本切手は、もうすでに売っている人が沢山います。不思議なことに、ヨーロッパからも売っています。
ヨーロッパでも、日本切手バブルがあったのでしょうか。
それはともかく、すぐ目に飛び込んできたのが、1964年東京オリンピック切手です。
もう捨て値で売られています。5円切手3枚で4ドルとか。
一瞬で、イーベイには見切りをつけました。
■海外発送に使う
最後の手段は、イーベイで売れた品の海外発送に使うこと。
もちろん額面でしか使えませんが、国内発送に使っても面白くもなんともないけど、外国では日本切手が珍しいので、喜ばれます。
「珍しい切手をありがとう!」と、感激のメールが来たこともあります。
ちょっぴり悲しくて悔しいけど、記念切手の処分方法はこれしかないようです。